中心となる configure オプションのリスト
以下のリストは、Unix 系の環境で PHP をコンパイルする際に用いられる
configure
スクリプトのオプションの一部です。
ほとんどのオプションはそれぞれの拡張モジュールのリファレンスページで
説明されており、ここにはありません。最新の configure オプションの
完全なリストを得るには、PHP のソースディレクトリで
autoconf を実行した後、./configure --help
を実行してください(インストールと設定
も参照ください)。--prefix=PREFIX
のような追加の
configure オプションについて興味がある方は、
» GNU configure のドキュメントが
参考になるでしょう。
注意:
これらの設定はコンパイル時にのみ使用可能です。PHP の動作を 実行時に設定したい場合は、実行時設定 の章を参照ください。
PHP の Configure オプション
一般的なオプション
- --enable-debug
- デバッグシンボルつきでコンパイルします。
- --with-layout=TYPE
- インストールされるファイルのレイアウトを設定します。Type には PHP(デフォルト)または GNU のどちらかが指定できます。
- --with-pear=DIR
- PEAR を DIR(デフォルトは PREFIX/lib/php)にインストールします。
- --without-pear
- PEAR をインストールしません。
- --enable-sigchild
- PHP 独自の SIGCHLD ハンドラを有効にします。
- --disable-rpath
- 実行時にライブラリの検索パスを追加できないようにします。
- --enable-libgcc
- 明示的に libgcc とリンクします。
- --enable-php-streams
- 実験的な PHP ストリーム機能を組み込みます。PHP そのものをテストする 目的以外では使用しないでください。
- --with-zlib-dir[=DIR]
- zlib のインストールディレクトリを指定します。
- --with-tsrm-pthreads
- POSIX スレッドを使用します(デフォルト)。
- --enable-shared[=PKGS]
- 共有ライブラリをビルドします [default=yes]。
- --enable-static[=PKGS]
- 静的ライブラリをビルドします [default=yes]。
- --enable-fast-install[=PKGS]
- インストール速度を上げるように最適化します [default=yes]。
- --with-gnu-ld
- C コンパイラが GNU ld を使用するとみなします [default=no]。
- --disable-libtool-lock
- ロックを回避します(並列ビルドに失敗する可能性があります)。
- --with-pic
- PIC/non-PIC オブジェクトのどちらか一方のみを使用するようにします [default=use both]。
- --enable-memory-limit
- メモリ制限(memory limit)のサポートつきでコンパイルします (PHP 5.2.1 以降では使用できず、常に有効となります)。
- --disable-url-fopen-wrapper
- URL を指定した fopen で、HTTP や FTP を経由してファイルを開く機能を無効にします (PHP 5.2.5 以降では使用できません)。
- --enable-versioning
- 要求されるシンボルのみをエクスポートします。 詳細な情報は INSTALL を参照ください。
PHP オプション
- --enable-maintainer-mode
一般の利用者にとってあまり便利でない(そして時に混乱のもととなる) make ルールや依存性を有効にします。
- --with-config-file-path=PATH
php.ini
を探すパスを設定します。デフォルト値はPREFIX/lib
です。- --enable-safe-mode
セーフモードをデフォルトで有効にします。
警告
この機能は PHP 5.3.0 で 非推奨となり、 PHP 5.4.0 で削除されました。
- --with-exec-dir[=DIR]
セーフモード時には、このディレクトリにある実行ファイルのみ実行を許可します。 デフォルト値は
/usr/local/php/bin
です。警告
この機能は PHP 5.3.0 で 非推奨となり、 PHP 5.4.0 で削除されました。
- --enable-magic-quotes
magic quotes をデフォルトで有効にします。
警告
この機能は PHP 5.3.0 で 非推奨となり、 PHP 5.4.0 で削除されました。
- --disable-short-tags
開始タグの短縮形 <? をデフォルトで無効にします。
- --enable-zend-multibyte
言語パーサおよびスキャナ内でのマルチバイトコードの実行を有効にします。 このオプションをつけて PHP をコンパイルすると、 declare 言語構造で encoding ディレクティブを使えるようになります。
警告
この機能は PHP 5.3.0 で 非推奨となり、 PHP 5.4.0 で削除されました。
- --with-libdir
Unix システムにおいて、PHP をビルドするためのライブラリがあるディレクトリを指定します。 64 ビットシステムでは、この引数を
--with-libdir=lib64
のようにしてlib64
ディレクトリを指定しなければなりません。
SAPI オプション
以下のリストには、PHP で有効な SAPI(Server Application Programming Interface
)が含まれています。
- --with-apxs[=FILE]
Apache 共有モジュールをビルドします。FILE は Apache apxs ツールへの パスで、デフォルトは apxs です。Apache のソース Tarball に含まれる apxs を指定するのではなく、そのシステムに実際にインストールされている バージョンの apxs を指定するようにしましょう。
- --with-apache[=DIR]
静的 Apache モジュールをビルドします。DIR は Apache のビルドディレクトリで、 デフォルトは
/usr/local/apache
です。- --with-mod_charset
(ロシアの Apache 用の)mod_charset のための変換テーブルを 有効にします。
- --with-apxs2[=FILE]
Apache 2.0 共有モジュールをビルドします。FILE は、オプションで指定する Apache apxs ツールへのパスです。デフォルトは apxs です。
- --disable-cli
PHP の CLI バージョンのビルドを 無効にします(自動的に --without-pear も指定されます)。詳細な情報は PHP をコマンドラインから使用する を参照ください。
- --enable-phpdbg
phpdbg インタラクティブデバッガ SAPI モジュールのサポートを有効にします。これは PHP 5.6.x 以降で使えます。
- --enable-embed[=TYPE]
組み込み SAPI ライブラリのビルドを有効にします。TYPE は
shared
あるいはstatic
のいずれかで、デフォルトはshared
です。- --with-nsapi=DIR
インストール済みの Netscape/iPlanet/SunONE Webserver へのパスを指定します。
- --with-servlet[=DIR]
サーブレットのサポートを含めます。DIR は JSDK のインストールディレクトリです。 java 拡張モジュールが共有ライブラリとしてビルドされていることが 前提条件です。
- --disable-cgi
PHP の CGI バージョンをビルドしないようにします。
PHP 5.3.0 以降、この引数は FastCGI を有効にするようになりました。それより前のバージョンでは
--enable-fastcgi
を使って有効にしなければなりませんでした。- --enable-force-cgi-redirect
サーバー内でのリダイレクトの際のセキュリティチェックを有効にします。 Apache で CGI バージョンを稼動させる場合、このオプションを 使用すべきです。
PHP 5.3.0 以降、この引数はデフォルトで有効になったため、もう存在しません。 これを無効にするには、ini ディレクティブ cgi.force_redirect に
0
を設定しなければなりません。- --enable-discard-path
有効にすると、PHP の CGI バイナリを web ディレクトリツリーの外に 配置できるようになります。これで
.htaccess
によるセキュリティを 回避できなくなります。PHP 5.3.0 以降、この引数はデフォルトで無効になったため、もう存在しません。 これを有効にするには、ini ディレクティブ cgi.discard_path に
1
を設定しなければなりません。- --enable-fastcgi
有効にすると、CGI モジュールが FastCGI のサポートつきでビルドされます。
PHP 5.3.0 以降、この引数は存在しません。かわりに
--enable-cgi
を使って有効化するようになりました。- --disable-path-info-check
無効にすると、
/info.php/test?a=b
のようなパスは 動作しません。詳細な情報は » Apache マニュアル を参照ください。PHP 5.3.0 以降、この引数はデフォルトで有効でもはや存在しません。 この機能を無効にするには、cgi.fix_pathinfo ini ディレクティブを
0
に設定する必要があります。