pack
(PHP 4, PHP 5, PHP 7)
pack — データをバイナリ文字列にパックする
説明
pack
( string $format
, mixed ...$values
) : string|false
指定された引数を format
に基づいて
バイナリ文字列にパックします。
この関数のアイデアは Perl からのものであり、フォーマット指定用の コードは Perl と同様に動作します。しかし、中には存在しない書式コードもあります。 たとえば Perl の "u" は存在しません。
符号付及び符号無しの区別は関数 unpack() にのみ 影響を与えます。関数 pack() は符号付及び符号無しの フォーマットコードのどちらでも同じ結果となることに注意しましょう。
パラメータ
format
フォーマット文字列は、 フォーマットコードの後にオプションの反復指定用引数が続く形式と なっています。反復指定用引数として整数値、または入力データの最後まで 反復を意味する
*
のどちらかを指定することができます。 a, A, h, H の場合、 反復数はそのデータ引数が取得する文字の数を指定します。反復数が @ の場合、 次のデータを置く場所の絶対位置を表します。その他の場合、反復数は データ引数が使われる数を指定し、結果のバイナリ文字列にパックされます。現在、実装されているものを以下に示します。
pack() の書式文字 コード 説明 a NUL で埋めた文字列 A 空白で埋めた文字列 h 十六進文字列、下位ニブルが先 H 十六進文字列、上位ニブルが先 c signed char C unsigned char s signed short (常に 16 ビット、マシンのバイトオーダー) S unsigned short (常に 16 ビット、マシンのバイトオーダー) n unsigned short (常に 16 ビット、ビッグエンディアンバイトオーダー) v unsigned short (常に 16 ビット、リトルエンディアンバイトオーダー) i signed integer (サイズおよびバイトオーダーはマシン依存) I unsigned integer (サイズおよびバイトオーダーはマシン依存) l signed long (常に 32 ビット、マシンのバイトオーダー) L unsigned long (常に 32 ビット、マシンのバイトオーダー) N unsigned long (常に 32 ビット、ビッグエンディアンバイトオーダー) V unsigned long (常に 32 ビット、リトルエンディアンバイトオーダー) q signed long long (常に 64 ビット、マシンのバイトオーダー) Q unsigned long long (常に 64 ビット、マシンのバイトオーダー) J unsigned long long (常に 64 ビット、ビッグエンディアンバイトオーダー) P unsigned long long (常に 64 ビット、リトルエンディアンバイトオーダー) f float (サイズおよび表現はマシン依存) g float (サイズはマシン依存。 リトルエンディアンバイトオーダー) G float (サイズはマシン依存。 ビッグエンディアンバイトオーダー) d double (サイズおよび表現はマシン依存) e double (サイズはマシン依存。 リトルエンディアンバイトオーダー) E double (サイズはマシン依存。 ビッグエンディアンバイトオーダー) x NUL バイト X 1 バイト戻る Z NUL 埋め文字列 (PHP 5.5 以降) @ 絶対位置まで NUL で埋める values
返り値
バイナリ文字列を含むデータを返します。失敗した場合に false
を返します
変更履歴
バージョン | 説明 |
---|---|
7.2.0 | float と double 型は、ビッグエンディアンとリトルエンディアンを両方サポートしました。 |
7.0.15,7.1.1 | "e", "E", "g" および "G" コードが、float と double のバイトオーダーをサポートするために追加されました。 |
5.6.3 | "q"、"Q"、"J"、"P" が追加され、64ビットの数値が使えるようになりました。 |
5.5.0 | "Z" が追加されました。Perl の "a" と互換性のある機能です。 |
例
例1 pack() の例
<?php$binarydata = pack("nvc*", 0x1234, 0x5678, 65, 66);?>
この結果のバイナリ文字列の長さは 6 バイト長で、バイト列 0x12, 0x34, 0x78, 0x56, 0x41, 0x42となります。
注意
警告
PHP は、int 型の値を内部的に格納する際に
サイズがマシン依存の符号付き値 (C の long
型)
を使うことに注意しましょう。int
型の範囲外の数値となる整数リテラルや演算結果は float
として保持されます。この float 値を integer としてパックする際には
まず最初に integer 型へのキャストを行います。
その結果、できあがるバイトパターンは期待通りにはならないかもしれません。
この問題にもっとも関連するのが、符号なしの数値で int
型で表現できるものをパックする場合です。
int 型のサイズが 32 ビットであるシステムでのキャスト結果は、
(実装で定義されている標準 C の符号なし型から符号付き型への変換に依存しますが)
まるで int が符号なし整数であるかのような同一のバイトパターンになることがよくあります。
int 型のサイズが 64 ビットであるシステムでは、
たいていの場合は float の仮数部のサイズが足りず、
値の精度を損なわずに保持することができません。
ネイティブの 64 ビット C int
型を持つシステム
(UNIX 系システムのほとんどは持っていません) では、上側の範囲の値で
パック書式 I
を使うための唯一の方法は、
希望する符号なし値と同じバイト表現になるような負の
int 値を作ることになります。